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あなたはまだ本物の「いりこ」の美味しさを知らないかもしれない。

突然ですが、「いりこ(煮干し)だし」、とったことはありますか?

いりこだしって、なんだかめんどくさそう・・・。
でも、日常の和食をもっと美味しく作れるようになりたい・・・。

そんなあなたにおすすめしたいのが、「やまくに の いりこだし」。だしパックなら、お鍋に入れるだけ。カツオよりもさっぱりとしていて、昆布よりも力強い。お味噌汁やうどんとの相性も抜群。独特の魚くささもなく、奥深い上品な味わいが広がります。

「あれ、いりこだしってこんなに美味しいんだ!」
きっとあなたは、まだ「いりこ」の奥深い世界を知らない。
今日は、小さな「いりこ」の小宇宙をのぞいてみましょう。

いりこだしは“ケの日”の滋味深いおいしさ

「いりこだし」の話をする前に、まずはそもそも「だし」の話を。

日本の食卓を影で支えてきた「だし文化」。「和食」が無形文化遺産に登録されてから、「DASHI」は、世界からも注目を集めています。

そう、世界に誇る「だし文化」。でも、だしのこと、日本人でもちゃんと知らない人は多いのでは.....?

和食以外にもいろんな料理のバリエーションがあり、だしを取らなくても作れる料理もたくさんあります。“顆粒だし”や“白だしボトル”などで手軽に風味を加えることもできる。

「だしをとらなくても、料理はできます。でも、ちゃんとだしを取るようになってから、子どもがお味噌汁を最後まで飲み干すようになったという声は、よく聞きますよ。直感的に、もうちょっと食べたい、って思うそうです。子どもの方が正直ですから」

そう話すのは、いりこ やまくに の代表・山下加奈代さん。

やまくには、明治20年(1887年)から創業130年を超える、瀬戸内海に面した香川県のいりこ屋さんです。瀬戸内海は海流が穏やかなため、原料のカタクチイワシがよく採れるのだそう。 

「いりこ」は西日本での呼び方で、東日本では「煮干し」とも呼ばれています。いりこをだしに使うという文化は、カタクチイワシがよく採れる西日本から広がっていったそう。東日本で育った方にとっては、「昆布」「カツオ」「椎茸」などのだし素材に比べて、あまり馴染みがないかもしれません。

「カツオだしは、昔は高価でお正月などの“ハレの日”のお料理に使われていました。それに比べていりこだしは、毎日の食事にこそパワーを発揮します。旨味だけでなく、脳の働きを助けるDHAや骨をつくるカルシウムなど栄養素もたっぷりなんです」

いりこだしってどうやって取るの?

いりこだしは、頭と腹ワタを取らなきゃいけないとか、下手すると魚の臭みが気になるとか、他の素材よりもだしの取り方が難しいような先入観があります。

加奈代さんに、いりこだしの取り方を聞くと、意外な答えが返ってきました。

「正解、不正解はないんです。とにかく良質ないりこを使ってあげることが大切。良質ないりこであれば、頭や腹ワタを取らなくても、くさみやえぐみが出ません。むしろ頭からよく旨味が出るので、少ない量で美味しいだしが取れますよ」

一番シンプルなのは、寝る前にボウルやピッチャーなどにいりこと水を入れて、冷蔵庫で一晩置き、次の日、お鍋に移して火を入れるだけ。とっても簡単です。

出し殻はそのままお味噌汁の具材として使ってもよし、キッチンペーパーなどで水分を拭き取り冷凍保管して別のお料理に使うこともできます。

ベストな保存方法は、冷凍庫。温度変化により酸化しやすいため、冷蔵庫よりも冷凍保存がおすすめだそう。水分がないのでカチカチに凍ることもなく、使うときもそのまま水に入れるだけ。

なーんだ、意外と難しいことはない。良質ないりこを使ったら、簡単に美味しいだしが取れるんですね!

やまくにのいりこが、料理家たちから絶賛のワケ

では、良質ないりこって? 

「良いいりこは、背中がくの字に曲がっていて、傷がなく、銀色に光っているもの。やまくにでは、最上級のイワシだけをひとつひとつ人の手で選別しています。それに、瀬戸内は漁場から工場が近いので、新鮮さを保ったまま加工することができる。そのおかげで酸化防止剤を使わずに仕上げられるんです」

 たしかに、光ってる。そして、思ったより大きい。

「やまくにのいりこは、“大羽”と呼ばれる大人のイワシを使っています。もう少し若い時期の“中羽”よりも脂が少ないため、深みもありながらすっきりと澄んだだしが取れるんです。いりこだしの独特のえぐみが苦手な人も、あれ、美味しい!ってなるはず」

こだわり抜いたやまくにのいりこに、著名な料理家さんや第一線で活躍されている名店の料理人の方など、業界人も絶賛。料理番組や雑誌などでも紹介されています。

この上質ないりこの美味しさを、だしだけでなく、丸ごと食べて味わってみてほしい。そんな思いから生まれたのが、おやつやおつまみにぴったりな「パリパリいりこ」。いりこを、手で頭と腹を取り除き、じっくり焙煎して作っています。山椒などの味のバリエーションも増やしています。

 より手軽にだしを取りたい人におすすめなのが、「いりこだしパック」。袋から出して水につけておくだけで、無添加の本格だしがとれてしまうスグレモノ。これも手作業でエラと内臓を取っているので、えぐみが出ません。昆布や椎茸の粉末も入っていて、バランスの良いだしが取れます。パリパリいりこをつくる過程で出た粉末を使っていて、無駄なくサステナブルなところも嬉しいポイント。

他にも、うどんにぴったりなだしつゆや、ふりかけなど、上質ないりこをいろんな形に加工して、商品開発を進めています。

 「いろんな入り口から、いりこの美味しさを知ってもらいたいんです。10年前にパッケージデザインもリニューアルしました。前はそんなところまで気を配ってなかったんですけどね、やっぱり棚に置かれていてもパッと目に入りますよね」

 子どもにも大人にも本物の美味しさを知ってほしい

いりこの美味しさを伝えたい。創業130年、6代目という役目を背負う加奈代さんの思いは、いま、子どもたちに向いています。 もともと、5代目・山下公一さんの長女として生まれた加奈代さんは、家業を継ぐつもりはなく、大学で幼児教育の勉強をし、幼稚園の仕事に就こうとしていました。仕事が見つかるまで一時的のつもりで手伝っていたのですが、兄弟の事情が変わり、継ぐ人がいなくなってしまったのです。 

「いりこ離れ」という現実に直面していながらも、小さい頃からずっと見てきた家業の風景がなくなってしまうのは寂しい。いりこの奥深い面白さが少しずつ分かり始めていた加奈代さんは、家業を継ぐことを決めたのでした。

それから10年、加奈代さんは、FOOD&COMPANYや D&DEPARTMENT、小学校の家庭科の特別授業など、様々なところでワークショップを開き、親と子どもたちに、いりこの美味しさや、だしの取り方を伝え続けています。

「思いがけず、幼児教育の勉強に生かせたのは良かったですね。でも、子どものときに本物の味を知って、ちゃんとした味覚を育てることは、本当に大切なことだと思いますよ。親よりも子どもの方が、パリパリいりこも、喜んでぱくぱく食べます。化学調味料や濃い味に慣れてしまった大人の舌よりも、純粋無垢な子どもの方が、自然の美味しさが分かるんでしょう」

 さあ、「いりこ」という未知なる小宇宙が気になってきた方は、ぜひ一度、やまくにのいりこでだしを取ってみてください。毎日の料理の味わいが、ぐっと奥深くなるかもしれません。


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