FOOD&COMPANY Monthly Column日々の基本を整える、”一汁一菜”の考え方。
FOOD&COMPANY Neighborsでは、日々の暮らし中で食を通して季節の変化を楽しんでいただきたいという思いを込めて、月ごとにおすすめのアイテムと一緒にオリジナルレシピをご提案しています。今年度は特に、季節をあらわす節句や節気になぞらえて、気温やからだの変化に合ったレシピを毎月お届けしていけたらと考えています。
4月は “旬をいただく、基本の食事。春野菜で楽しむ一汁一菜” と題して、2つのレシピを制作しました。今回は、このテーマを企画するに至った背景について、FOOD&COMPANYバイヤーの谷田部によるコラムをお届けします。皆さんにも、日々の食事を少し振り返ってみるきっかけに、また、何を食べようか迷っているときのヒントにしていただけたら幸いです。
毎日の食べるもの、皆さんはどんな基準で決めていますか?
これを食べたら健康に良い/悪い、あれを食べたら痩せる/太る、etc…
味や栄養素、価格に話題性など食べ物に関する情報や選択肢は今まで以上に氾濫し、何を食べたらいいのか、どう料理したらいいのか、迷ってしまうこともあると思います。
FOOD&COMPANYのバイヤーとして日々様々な類の食べ物や料理をいただく中、私自身、選択肢が多すぎるという状況に以前は戸惑いを感じてしまうことも。
そんな中、たくさんの日本の農家や生産者を通して改めてお米と味噌を中心とした和食の魅力と出会い、そしてそのパワーに触れる機会がありました。
以前はその日の状況や気分によってバラバラなスタイルで食事をする事が多かった私ですが、彼らに刺激を受ける形で「一汁一菜」を日常の食事の基本型にしてみると、これまで感じていた日々の食事における迷いが消えて心身がぐっと整いやすくなったことを覚えています。
その起源や解釈は様々ありますが、一汁一菜はご飯と具沢山のお味噌汁の組み合わせをベースに、お漬物やおかずなどの「菜」を一品、とシンプルに構成する日本の伝統的な日常食のかたちです。
一見質素で物足りなさそうにも見えるこの献立。
実際いただいてみると、そのバランスの秀逸さからとても深い満足感と心身の安定を得ることができて、見た目の印象とのギャップにも驚きます。
穀物の種類や具材をかえれば楽しみ方のバリエーションが無限大で飽きがなく、季節の移ろいや旬の恵みを楽しむための最もシンプルな手段の一つでもあります。
一汁一菜のベースとなるお米と大豆は、日本における自然環境の循環、文化継承においても欠かせない存在で、今後FOOD&COMPANYとしてもこれらの魅力をより深く、多角的に皆さまにお届けしていきたいと現在様々なアプローチを構想中です。
いろいろな国のお料理やバラエティー豊かなメニューを頂くことも、もちろん食がもたらす大きな楽しみ、喜びの一つです。
そんな食の選択肢が負担ではなく、楽しみとなる心の余白を保つためにも、日々の食事に自分なりの軸を持っておくことは、とても有効かもしれません。
「何を食べたらいいかわからない」
「今日は何作ろう」
そんな時は、たっぷりのご飯とお味噌汁を中心に、シンプルなおかずを少々。
どんな季節にも寄り添ってくれる柔軟性の高い食事の基本。今後も様々な組み合わせをご提案していきます。
ぜひ、皆さんのおすすめも聞かせてくださいね。
今月のオリジナルレシピはこちら。
二十四節気の「清明」と「穀雨」に合わせてメニューを考案しました。二十四節気とは、春夏秋冬をさらに6つに区分けしてより繊細にその機微を感じられるようにあらわした言葉です。
4月の後半、「穀雨」はたくさんの穀物を潤す春の雨のことを意味しています。作物がぐんぐん成長する新緑の季節。旬の野菜と一緒に手軽に調理できる味噌玉の作り方をご紹介。具材の野菜や味噌はお好みのものに変えて、様々なバリエーションでお試しいただけます。
今月のテーマにしている「一汁一菜」は、FOOD&COMPANYでは今後も大切にしていきたい考え方。年間を通して、時節に合ったレシピと食材で皆さまに楽しんでいただけるようなご提案を続けていけたらと思っています。スタッフが思いを込めて企画中ですので、ぜひ来月以降もお時間があるときにオンラインストアをのぞいてみてくださいね。