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夏につるっと美味しい、宮内舎の白米麺

 

1ヶ月に渡ってお届けしてきた、“主役になれる、隠し味。スパイスアップ調味料”。食べ慣れたいつもの家庭料理も、ひとさじ加えるだけでお店のような本格的な仕上がりに!一度は試していただきたいおすすめ調味料たちと、その美味しさの秘密やオリジナルレシピなどをお届けしてきました。今月最後にご紹介するのは、どんなスパイスとも相性バッチリな宮内舎(みやうちや)さんの“白米麺”。スパイスアップ 調味料セット / スタンダード¥5,800(税込)にも含まれています。

島根の宮内舎の作る麺は、最後の一口までおいしい。

 

「決して派手ではないけれど、食べた後にほっとしたり、じんわりと身体に染み込んだり、育てられた田んぼを想像したり。そんなおいしさを目指しているんです。」そう語ってくださったのは島根県の”宮内舎”の小倉さん夫婦。

 

私たちFOOD&COMPANYでは、宮内舎さんの白米麺や玄米麺、米粉なども取り扱いがあります。農業や食の未来に対する熱い想いを持っているご夫婦と、直接お話をした際にはバイヤーも意気投合。地方の山間地方の雇用創出や耕作放棄地の活用など、真摯に向き合っていることが伝わってきて、その進んでいきたい未来像がFOOD&COMPANYとも合致し、お取り扱いが始まりました。

リモートワークの合間の昼ごはんや小腹がすいた夜食に、さっと作れる「麺」メニューは、簡単でおいしくて子どもから大人までみんなに好かれる人気者。パスタやラーメン、そうめんなどの麺類は、ほとんどが小麦粉を主な原料としています。最近では「グルテンフリー」という言葉もよく聞かれるようになりましたが、小麦から生成される「グルテン」は、人間の体内で完全に分解されにくく、お腹が張ったり、体質によっては消化不良を起こしたりしてしまうこともあると言われています。麺を食べ終わるときに感じるあの満腹感は、グルテンによるものかもしれません。

 

宮内舎では、小麦を使わずに「最後の一口までおいしい」を目指したグルテンフリーの「お米の麺」を作っています。「お米の麺」と聞くと、ぼそぼそしているのかな…と思いきや、弾力があってもちもちの新食感。そして暑い季節にもどんどんお箸が進む、つるっとした口当たり。しっかりと食べごたえもあり、噛むほどにお米ならではの風味や甘みが広がります。

白米麺は、フィットチーネやきしめんのような平麺です。夏には、冷たくしめてざるうどんにして、シンプルにめんつゆで味わうのもおすすめ。薬味のような感覚で、少しスパイスを加えるだけで簡単にアレンジが効きます。調理の仕方によって、ラーメンやパスタとしても食べられる万能さ、絶妙な太さが魅力。茹でた麺をエビや野菜と一緒にさっと炒めてパッタイ(タイ風焼きそば)にするのもおいしいですよ。

https://neighbors.foodandcompany.co.jp/blogs/blog/2207_recipe_4

 

きっかけは、小麦アレルギーと実家の耕作放棄地

宮内舎のお米の麺が最後の一口までおいしい理由は、グルテンフリーだから、というだけではありません。

 

「人と自然の循環を生み、真っ当に作っているお米の麺。お米は農家さんと共に育てた特別栽培米100%使用。私たち宮内舎は、来年もその先も、環境に配慮しながらあなたと共に土を耕していくことを目指します。」

 

島根県の山間にある小さな集落で、夫婦が営む宮内舎。自分たちも稲作をしながら、周りの契約農家さんとともに、安心安全でおいしいお米をつくり、それを米粉やお米の麺として加工しています。

 綾子さんの親族は、代々農家でご両親は酪農家。小さい頃から自然や農業に興味はあったものの、社会人のはじめは上京して会社に勤めていました。上京中、頭痛やだるさなど体調不良の原因が、自分自身の小麦アレルギー(非セリアックグルテン過敏症)だと知り、マクロビオティックなどを勉強するように。小麦よりお米が自分の体質にあっていると分かり、米粉の麺を手作りしていました。その後、島根へUターンした際に、実家の耕作放棄地で何かできないかと考えた策が、お米を育てて、それをグルテンフリーの麺として加工するということでした。

 

「昔と比べて日本の食生活が変わり、年々お米の消費量は減っていっています。周りの農家さんも、田んぼをやめて別の作物に転作するところも増えていて。時代の流れを引き戻すことはできませんが、私のように小麦が食べられない人にとっても、お米の麺という選択肢があると良いなと思って作りはじめました。」



食べることは、土を耕し自然とつながること

お米の焙煎度合いや粉砕方法などを試行錯誤して、納得のいく食感や味わいにたどり着くまで3年ほどかかったそう。お米は「特別栽培米」(節減対象農薬・化学肥料を当地比で5割減)を100%使用。お米づくりからこだわり抜いています。契約農家さんの条件は、「丁寧なお米づくりをしている人」。日頃から雑草をこまめに刈っているか、道具を綺麗に使っているか。そんなところに、お米づくりに向かう姿勢が表れています。農薬に頼りすぎずに安心安全でおいしいお米を作るためには、相当な労力がかかります。それを正当な値段で買い取りたいという思いから、宮内舎ではJAの1.7倍~3倍の値段で購入しているそう。

「一度途絶えてしまったらもう戻らないかもしれない。お米づくりを通して、農家さんたちの考え方や哲学をつなぎたいんです。虫も悪者にしないとか、全て意味があって繋がっているとか。何千年も前から続いている稲作という行為は、見えないものの存在と繋がる祭りごとでもある。お米は、その文化を継いでいくためのツールなのかもしれません。」

 

宮内舎がお米の加工品を通して伝えたいのは、食べることが、遠くの農地を耕すことに繋がったり、自然や八百万(やおよろず)の存在と繋がるんだということ。

 

「食べることは、命をいただき、自然の一部になって命を全うすること。そして、食べることで、その農家の農地を一緒に耕しているということにもなる。買い物は投票です。丁寧に作られたものを選ぶということは、一生懸命耕す農家さんを応援して、自然を守るということに繋がるわけです。」

 

森・田畑・海、そして食卓。全てがより良く循環することで、次世代へつながっていく。宮内舎の静かでおいしい挑戦は、まだまだ続きます。



さて、7月は夏に嬉しいスパイス調味料とそれにぴったりの麺をご紹介しましたが、さらに暑くなる8月は、“涼”を感じていただくために“森”をテーマに扱います。オンライン限定のセットも登場しますので、どうぞお楽しみに。


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